『本物の英語力』鳥飼玖美子さんの英語学習論。英語学習の基本原則に納得。

読んだ本

日本の義務教育の英語や英語業界を批判を続ける鳥飼玖美子さんの英語学習論をまとめた新書を読んでみました。英語学習者のファンも多い鳥飼さんだけあって、複数の大手書店でこの新書を推していました。

鳥飼玖美子さんは帰国子女でもなく、高校時代のアメリカ留学から努力を重ねて同時通訳者となった方です。現在、日本通訳翻訳学会会長もされているそうです。鳥飼玖美子さんをより詳しく知りたい場合はこちらからどうぞ。

さて本の内容です。基本は長年英語教育に携わってきた鳥飼さんからの「英語学習法の提案」です。

あきらめないで、こうやってみたら?という私なりのアドバイスのすべてに納得できなくても、ひとつでも、そうだな、やってみよううか、と思っていただけたらと願いながら書きました。

実際に読み進めると、英語学習者だけでなく英語教育に携わる先生方にもとても参考になる内容だと思いました。日本では、今現在英語を話せなくても何の不便もなく生活ができます。それを前提で、確実に拡大するグローバル社会を前にどう英語を準備する(学習する)かを「発音、語彙、文法、デジタル教育、心構え、留学、仕事等」のトピックで説明しています。紹介されている”テクノロジーに頼りすぎない学習法”を読むと確かに基本に帰ることが語学学習では確実な手段だなぁと感じる点も多いです。決して新しくはありあませんが、鳥飼さんが提案する学習法は説得力があります。

英語学習の基本原則は以下の2点と定義しています。これには納得です。

(1)ネイティブ・スピーカーを目指すのではなく、自分が主体的に使える英語 ー「私の英語」を目指す。

(2)英語を覚えようとするのではなく、知りたい内容、興味のある内容で英語を学ぶ。

現在の義務教育で存在感を増しつつある「英語」ですが、”情報格差”から更には”英語格差”という言葉まで使われるようになると嫌ですよね。英語ができる=グローバル人材ではないことは確かですので、自分の興味のある物事を「私の英語」で伝えることができることを最初のゴールにしてみましょう。この本にはそうなるための学習ヒントが詰まっています。

鳥飼さんからのあとがきにある最後のメッセージです。

本書を読んで下さった方々が、グローバル市民としての英語力を目指して学び、英語に押しつぶされるのではなく、平常心で英語と付き合うことで、英語格差なるものを吹き飛ばし、飛び越えることを切に願うものです。

英語学習・英語教育に関わる全ての人に読んでいただきたい本です。

Kindle版はこちら。