『先生、その英語は使いません!』〜 学校で教わる不自然な英語とは?
今回ご紹介する『先生、その英語は使いません!』は英語のテキストや問題集で使われている不自然な100の英語表現を楽しく説明した良書でした。
恐る恐る読み進めましたが、読み終えるた後は何か本当にすっきりした気分になりました。
著者のキャサリン・A・クラフトさんは実際に日本で英語を教えている中で、生徒が使用している英語教材、テキストの英語に違和感を感じていたそうです。
どうやら「正しいけれど、もやは使われない表現」や「意味は伝わるけど、ぎこちないフレーズ」が日本の英語テキストにはあるれているのだそうです。
「文法が正しければ良い」と開き直りたい気もしますが、「ことば」は文法以上に様々なメッセージが加わりますので、ワンランク上の英会話を目指す上でもここで解説されている「ニュアンス」はとても貴重なアドバイスになります。
『学校で教わる英語のここが不自然!』<本書より>
- 「話し言葉」と「書き言葉」がごっちゃになっている
- 「昔」と「いま」の表現が混在していてチグハグ
- 古めかしくてフォーマルな言い回しが多い
- イキイキ感に欠ける
これからは英語だ!英語だ!と言われて久しい日本の英語教育業界もこの「不自然さ」をなかなか修正できないようです。中高生の英語学習には受験・試験がつきまとうために「問題の作りやすさ」が優先されているのかもしれませんね。
本書に出てくる「不自然」と言われる英語表現を幾つかリストアップします。結構「え!そうなの?」となりませんか?
- It’s a fine day.「いいお天気ですね」
- I feel cold.「寒い!」
- I have a pain in my stomach.「胃が痛い」
- What’s your hobby?「趣味はなんですか?」
- My sister is pregnant.「私の妹は妊娠している」
- He’s having an affair. 「彼は浮気をしている」
などなどです。
シチュエーションのイラスト補足とともに「自然な」表現が全100種類、どれも軽いタッチの説明なので一気に読みきることができました。
しかし「ことば」は机上の勉強だけだとなかなか難しい部分があると再認識しました。結局この本で知識はインプットされても「不自然」と感じる”感覚”までは養うことは難しいかなぁとも感じました。
ただし、「不自然さ」の感覚は個人差もあると思います。複数の英語ネティブに実際に質問してみても面白いかもしれませんね。会話のネタにもなりそうです。